三井グループ350周年記念事業

三井グループ350周年記念事業紹介レポート知らない三井に出会う
「Meet the MITSUI」

日本と海外の若者たちが参加した
三井グループ×日本赤十字社
・青少年赤十字
連携プロジェクト
「サス学」セッションとは?

三井グループ350周年記念事業のレポートに任命された好奇心旺盛な16歳の女子高生「みっこちゃん」。さまざまな不思議や発見を探して、徹底調査。みなさまに三井グループ350周年の記念事業のレポートをお届けします!
今回、みっこちゃんが調査したのは、三井グループと青少年赤十字の連携プロジェクトとして11月24日(金)に開催された国際交流集会の「サス学」(サステナビリティ学習)セッション。日本を含むアジアの10の国と地域の若者が参加して行われた同イベントについて、その内容や、どのような意義を持って取り組んだのかを、三井物産の筒井雪美さんと、日本赤十字社の藤井理緒さんに聞いてきました!

  • なぜ今回、三井グループと青少年赤十字が一緒にプロジェクトを行うことになったんですか?
  • 三井グループ350周年記念事業では、“みついのちからをみらいのひとへ”という大きなテーマのもと、三井のイノベーション精神を次の時代につなげるための多彩な取り組みを行っているんですね。その中で、世界191の国と地域に姉妹社のネットワークと、国内約1万4000校もの学校が加盟しているプラットフォームを持っている青少年赤十字の活動を支援することが決定しました。ほかにも人道の考えを基盤に「健康・安全」「奉仕」「国際理解・親善」を目標にして様々な力を育む活動を展開している点にも共感しました。その最初の連携プロジェクトとして実施されたのが、今回の「サス学」セッションなんですよ。
  • どうして筒井さんは今回の連携プロジェクトの担当者になったの?
  • 三井物産の社会貢献活動の重点分野の一つが人材育成で、その主要プログラムが三井物産「サス学」アカデミーです。「サス学」は、今回のイベントでも講師を務めてくださったプラチナマイスター・アカデミー学長で東京都市大学特任教授でもある杉浦先生が開発した探求型の教育メソッドです。その杉浦先生の構想に共感し、支援をしたいという思いから2014年に三井物産「サス学」アカデミーを開講しました。開講当初は小学校高学年を対象に三井物産のオフィスで実施、2021年からは学校と協力して、学校のプログラムやテーマに合わせた形で実施しています。今年度からは、一つの学校だけでなく、自治体のみなさまと協業することで、点ではなく面で探求学習の機会をご提供させて頂く取り組みも始めました。具体的には、9月に取手市とSDGs推進に関する包括連携協定を締結し、本協定書の下、取手市の公立小中学校で「三井物産『サス学』アカデミー」を実施していきます。
    私は三井物産「サス学」アカデミーを実施する担当者なので、今回の国際交流事業である連携プロジェクトでも「サス学」を実施する担当者になりました。
  • へぇ〜、そういうことだったんですね。でも、なんで青少年赤十字さんと「サス学」のイベントをやることになったの? 他にもいろいろありそうだけど。
  • それはですね、青少年赤十字のご担当者の方がさまざまな三井グループの取り組みの中で三井物産「サス学」アカデミーに関心を持ってくださったことがきっかけでした。
  • どうして青少年赤十字さんは、「サス学」に興味を持ったの?
  • 先ほど筒井さんがおっしゃった人材育成というテーマが大きいと思います。弊社では、いろいろな事業を行っておりますが、青少年赤十字事業への関わりとして資金を提供いただくだけではなく、今回はプログラムを一緒に考えながら制作していただくことになりました。青少年赤十字が1970年から続けている国際交流事業では、企業との連携による実施はおそらく初めての試みでしたので、すごく意義深いイベントになったと思っています。また、青少年赤十字は昨年創設100年を迎え、今年は101年目。その新たな一歩という意味においても今回のイベントは大きな位置付けとなりましたので、三井グループにご一緒していただけて、とてもありがたかったですね。
  • 企業と一緒にイベントすることってなかったの?
  • 日本赤十字社はみなさまからのご寄付に支えられている団体です。企業のみなさまには活動のための資金にご協力をいただくほか、災害時に支援者サポートのため物資をいただいたり、地域での赤十字の啓発や献血会場のご提供、赤十字のボランティアと共同で活動するなど、様々なご協力をいただいています。でも、今回のような国際交流事業の中で赤十字の考え方を汲んだプログラムを企業に作っていただくケースは、おそらく初めてなのではないかと思います。
  • そうだったんですね。で、「サス学」セッションって、どんなことをやったんですか?
  • 今年度の国際交流事業のテーマは、「持続可能な未来に向けた青少年赤十字活動」ですが、その実現に向け、日本で行われている「気候変動」「平和教育」への活動とそこに関わる人々の思いを知り、自らの行動変容への意識を醸成する、というものだったんですね。そこで、三井グループの中から、ぜひ参加したいと手を挙げた8社が、自社が行っている気候変動と平和教育に資する事業活動を動画で紹介することになりました。当日は参加者が8グループに分かれて、あらかじめ割り振られた会社の動画を視聴し、そこから得られた気づきやアイデアを書きとめて、グループ内で共有する、というプログラムでした。共有された気づきやアイデアはその後のプログラムで得た知識や気づきと一緒にグループディスカッションで何度も協議したうえで、参加者は自分ができる未来の青少年赤十字活動をつくり上げていきました。
  • 本来の「サス学」のプログラムは5日間かけて実施すると聞いていたのですが、今回は2時間という時間の制約がありました。そのためプログラムをアレンジしていただくなど、すごく柔軟な対応をしていただいて。たくさんの無理を申し上げたところも多かったので、もう感謝しかないですね。
  • 5日間のプログラムを2時間で!?すごっ。 どんな工夫をしたんですか?
  • 1つは、日本赤十字社の「人道」の原則や、「誰一人取り残さない」というSDGsの理念を、動画で企業の取り組みを紹介するときに反映させる必要があったということ。また、国際交流事業にかける青少年赤十字の想いであったり、今回参加してくださった弊社を含む8社の事業活動に対する想い。そのどちらにも配慮した内容の動画にするということですね。もう1つは、とにかく今回は新しいことずくめだったんです。国際交流事業を企業と連携して実施されたのも初めてでしょうし、指導スタッフの方々が「サス学」を知ったのも初めてだったでしょうし。さらには「サス学」を英語で実施するのも初めてのこと。しかも、通訳を介して行うので実質2時間もないんですよ。その中で今回のイベントに携わってくださった全員にとって実り多いプログラムになるよう試行錯誤を繰り返しながら当日を迎えました。今振り返って考えてみると、これまでの経験の中でいちばんチャレンジングなイベントだったなと思います。
  • 指導スタッフというのは日本赤十字社の職員のことですか?
  • いいえ、違うんです。青少年赤十字教育事業は学校教育の中で展開していますので、加盟いただいている学校の先生たちには普段から指導者として教育プログラムや教育コンテンツの作成に携わっていただいているんです。なので今回のイベントでも指導者である学校の先生たちにもいちスタッフとして、三井グループのみなさまや杉浦先生と連携しながら何度も協議を重ねてプログラムを作成いただきました。
  • きっと、参加者にとっても有意義なプログラムだったんだろうなぁ。私も参加したかったなぁ。ちなみに、参加者からはどんな感想が?
  • 海外の参加者たちは、持続可能な社会の実現に向けた日本企業の取り組みを知ることで、自国の活動に生かしたいという想いが一貫してあるんですね。プログラム参加後、海外の2つぐらいのグループが三井化学さんのペットボトルへの取り組みから「アイデアを得た」という発言がありました。日本の高校生からも、普段なかなか知ることのできない企業の活動を知れて良かったという声がありましたね。
  • 正直なところ2時間という限られた時間の中で、どれだけ伝えられるかが不安でしたね。でも、藤井さんがおっしゃったように、三井化学さんの取り組みからインスピレーションを受けてペットボトルのリサイクルについて寸劇で発表したグループがいて、それがとても印象に残っていますし、うれしく感じました。一緒に参加された三井化学さんのご担当者の方もすごく喜んでいらっしゃいましたね。
  • 発表のスタイルも自由なんですね。楽しそう!
  • そうなんですよ。楽しみながら学ぶことは、「サス学」において大変重要にしているところでもあるんです。地球環境が急速に変化する中で、過去を知り、現在を見極めて持続可能な未来をつくるためのアイデアを考えることで、未来への不安をワクワクに変えていってほしいという思いがあります。
  • 海外からの参加者の活動は、献血推進や救急法の研修等のボランティア活動が多いです。他にもインドネシアの参加者は植樹にも取り組んでいると言っていました。今回は、活動するフィールドがかなり違った中での学びのセッションでしたから、日本企業の活動を知って、すごく刺激があったと思います。
  • もしかして藤井さんもボランティア活動から始めて青少年赤十字に入ったの?
  • そうなんです。高校1年生の時に初めて地域のボランティア活動に参加したのですが、それが実は青少年赤十字の活動の1つだったんです! 当時は学校周辺の地域清掃やボランティアセンターでお手伝いをしていたのですが、その流れで日本赤十字社の東京都支部が行っている国際交流事業に参加する機会を得たんです。そこで、海外のメンバーの積極性や語学力、彼らの社会活動へのパッションにすごく刺激を受けまして。その経験が日本赤十字社で働くことにつながりました。私自身、青少年赤十字の国際交流事業に参加したことが、その後の学校生活や留学など自分のキャリアにもつながった、とても意義深い体験だったんです。その国際交流事業に今回は担当者として携わることができて、本当にうれしく思いました。
  • そうだったんだ。私もボランティア体験してみようかな。
  • ぜひ! みっこちゃんも青少年赤十字のみんなと一緒にボランティア活動を体験してみてほしいです。
  • はい!これからも三井グループと青少年赤十字が一緒にイベントを行っていけるといいですね。今回はありがとうございました!

みっこちゃんプロフィール

16歳の高校生。いつでも好奇心旺盛で明るくポジティブなのが取り柄。人とおしゃべりするのが大好きで、少しでも気になることがあると、とことん調べずにはいられない性格。たまにまわりが止めるのも気にせず暴走しちゃうことも。